人間ドックで見つかりにくい病気

「人間ドックを受けて、どこにも異常はなかったから自分は健康体だ」と安心していたら、1ヵ月後に倒れて救急搬送された、と言う話は稀ではありません。

いくら毎年検査を受けていても、見つかりやすい病気と見つかりにくい病気があります。また、簡単な検査か詳しい検査かによって発見できる病気も変わってきます。例えば、中年以降の女性には甲状腺機能低下症や甲状腺機能亢進症が増えます。FT4やTSH、抗Tg抗体、抗TPO抗体のうち、1~2項目でも調べていれば、発見できることも多いのですが、人間ドックやレディース検診でも1項目も検査項目に入っていないことが多いです。また、卵巣癌は経膣エコーを行わないと発見が難しいのですが、通常のレディース検診では内診と膣鏡診、子宮頸癌検査だけのケースがほとんどです。脳梗塞や脳動脈瘤や脳腫瘍は脳のMRIまでやらなければ見つからないことが多いです。人間ドックは、体調がすぐれない人が受診するものではありません。人間ドックでは的を絞らず全体的に病気が無いかどうかを調べます。体調がすぐれない時は、まずはかかりつけ医を受診し、全体的に見るだけではなく、的を絞った検査をしてもらう必要が生じることもあります。また、検査データが基準値よりも高いか低いかだけではなく、以前と比べてどうかといった推移や流れを見ることも重要です。加えて、データには現れない微かな徴候を読み取れることができるのは、あなたの体のことを一番良く知っているかかりつけ医です。かかりつけ医と人間ドックで、医師を上手に使い分けましょう。

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